こんにちは。kuma&nomiです。

私は塩辛いものは好きではありませんが、カプサイシン系の辛いものは大好きです。数日前、テレビの番組で(何かは忘れましたが)カプサイシンで胃が悪くなるわけではないと言っていました。

カプサイシンはダイエット効果があるとかないとかいう話もありますが、まあ、そういった類の話は置いといて、今日は、カプサイシンの分子構造とそれから推測される性質、そして命名について見てみましょう。

カプサイシンの分子構造から推測できること

カプサイシンの分子構造
カプサイシン

まず、この分子を見て、水には溶けないと思います。アルカリ性の水で、概ねpH9以上であればフェノール性水酸基から水素イオン(プロトン)H+が飛んで、フェノラートアニオン(Ph-O-)になります。しかし、それだけでは分子全体を引き連れて水に潜って行くだけの親水基としては不十分です。しかも、アミド結合の部分(-NH-CO-)は分子間で水素結合しているので、結晶である可能性が高いです。それを水に溶解させるにあたっては、分子と分子を引き離すのが大変です。だから、水には溶けないと思います。もちろんほんの少量なら水にも溶けるでしょうが、そういうのは一般には水溶性とはいいません。

カプサイシンの系統名

バニリル基を使って命名すれば比較的簡単です。

バニリル基(vanillyl group)
バニリル基

窒素原子Nにバニリル基が付いたアミドとして命名するのが良さそうです。カルボン酸とアミンから脱水してできた化合物がアミドです。まず、カルボン酸成分の名前を付けましょう。炭素数が9個のカルボン酸(カルボン酸COOHの炭素も含んで9個です)なので、飽和炭化水素(アルカン)のノナンC9H20を基に命名します。それがC=C二重結合を1個持っているので、-aneが-eneに変わり、noneneになります。そのC=C二重結合の位置は本来なら末端に近い方から数えた若い番号にしますが、この化合物ではカルボン酸があるので、カルボキシル基の炭素原子が1番になります。すると、C=C二重結合の位置は6番と7番なので、若い方の6番を採用します。つまり、6-noneneとなります。これがカルボン酸の化合物(脂肪酸)なので、語尾のeをとって-oic acidを付けて、6-nonenoic acidとなります。これがアミドになると、6-nonenoic acidの-oic acidを-amideにかえます。すると、6-nonenamideとなります。読みは英語ではノネナミドとなりますが、日本語でカタカナ表記する時は6-ノネンアミドとします。8番の炭素のところに1個の炭素(メチル基-CH3)が付いているので、8-methyl-6-nonenamide(8-メチル-6-ノネンアミド)となります。あとは、窒素原子Nにバニリル基が付いているので、8-methyl-N-vanillyl-6-nonenamideとなります。Nはイタリックにします。最後に、C=C二重結合のところの幾何異性体がシスかトランスかを指定します。この場合はトランス型なので、8-methyl-N-vanillyl-trans-6-nonenamideまたは8-methyl-N-vanillyl-(E)-6-nonenamideとなります。日本語でカタカナ表記するならば、8-メチル-N-バニリル-trans-6-ノネンアミドまたは8-メチル-N-バニリル(E)-6-ノネンアミドとなります。

上記の順番通りに命名しなくても正しい答えには辿り着くことができると思います。何をもとに命名するかの最初の見極めが最も重要であるということと、英語名をアルファベットで正しい綴りで命名して、それをカタカナに直すという順番を守らなければなりません。カタカナからアルファベットに直すのは順番が逆です。アルファベットを日本人用にカタカナにしただけですから。

それでは、また。