最近は多くの人が酸性の体質になっているといいます。それを弱アルカリ性に保つことは体調を良くする秘訣です。クエン酸は酸なのに、なぜ体内ではアルカリ性として働くのかについて考えてみましょう。

梅干しはアルカリ性食品に分類されますが、梅干し自体は酸性を示すはずです。もしpH試験紙があったら、オレンジ色になると思われます。なぜならば、食塩NaClは中性ですが、梅干しに含まれるクエン酸は酸性を示すからです。でも、クエン酸はたいへん優れたアルカリ性食品です。

ここで重要なのは、クエン酸は「アルカリ性」ではなく「アルカリ性食品」だということです。クエン酸は化合物の分類上はカルボン酸なので(もっと厳密に言うと、クエン酸1分子中に3つのカルボキシル基-COOHがあるのでトリカルボン酸なので)アルカリ性は示しません。酢酸(CH3COOH)より強い酸性を示します。でも「アルカリ性食品」です。

クエン酸がアルカリ性食品である理由

クエン酸と重曹の中和反応

クエン酸ナトリウムの加水分解

クエン酸を食べると、十二指腸で膵臓から分泌される炭酸水素ナトリウムNaHCO3、いわゆる重曹と中和反応してクエン酸ナトリウム(クエン酸ソーダ)になります。炭酸H2CO3よりもクエン酸の方が酸性が強いから、このような反応が起こります。もし逆だったら、すなわち炭酸H2CO3よりもクエン酸の方が酸性が弱かったらこのような反応は起こりません。このクエン酸ナトリウムは中性の水に溶かすと弱アルカリ性を示します。それゆえ、クエン酸ナトリウムが体に吸収されると、pH(水素イオン濃度指数)がアルカリ性側に傾きます。だからクエン酸はアルカリ性食品なのです。
なぜ、クエン酸ナトリウムがアルカリ性を示すのかについて簡単に説明します。クエン酸ナトリウムは弱酸であるクエン酸と強塩基である水酸化ナトリウムNaOHの中和反応でできた塩(えん)です。塩が水中で加水分解すると、クエン酸と水酸化ナトリウムNaOHに戻ります。クエン酸は弱酸で水酸化ナトリウムNaOHは強塩基なのでトータルで考えると塩基性(アルカリ性)が少し勝つイメージですね。だからトータルでは弱塩基性(弱アルカリ性)を示すわけです。ちなみに塩基とアルカリの使い分けは、後者は水溶液の場合というイメージです。

ということは、私達がクエン酸を摂っていれば体は弱アルカリ性に保たれるわけです。

酸性食品、アルカリ性食品という区別は、食べる前の食品がに酸性を示すかアルカリ性を示すかということではなく、体の中で酸性を示すかアルカリ性を示すかとうことです。調べる方法は、燃やしたあとの灰を水に溶かした時に、その水が酸性を示すかアルカリ性を示すかで判断できます。ざっくり言ってしまえば、体の中でも燃焼が起こりますから(例えば、ダイエットで脂肪燃焼)、体の中で燃焼した後に酸性を示すかアルカリ性を示すかで酸性食品、アルカリ性食品と判断すると考えれば良いことになります。

グルコース(ぶどう糖)は細胞の中で燃焼されて二酸化炭素CO2と水H2Oに分解されます。完全に燃焼されなかったら毒性のある酸性物質が体の中に蓄積されて体が酸性に傾きます。クエン酸はグルコースの燃焼を助けるので体を弱アルカリ性に保つことができるといわれています。

クエン酸の性質と効能

クエン酸には様々な効能があります。ざっと挙げてみても下記のようになります。
・レモンなどの酸っぱい食物に含まれている成分
・胃液の代わりになる。
・生物の身体の中に常に存在している。
・クエン酸は無色無臭で水に溶けやすい。
・疲労回復をはじめとして、とても体に良い。
・効果的に摂取したいなら果実からよりもクエン酸そのものを利用するのがおすすめ。
・1日に5〜6回摂る。
・クエン酸の有機酸としての働きは酢の3倍
・クエン酸の酸の強さは酢の3分の1
・消化不良の改善、止渇、食欲増進、胃酸代用(日本薬局方)
・生活習慣病の改善
・ジュース、サイダー、ラムネなどの主原料
・酸味料
・お酒の旨味
・インクの製造
・家庭の台所のパイプの洗浄

クエン酸で水垢落とし

クエン酸は酸性で、水垢はアルカリ性なので、クエン酸を水に溶かして風呂場の鏡などの掃除ができます。

レモンとシークヮーサーを自分で栽培している理由

柑橘類に含まれる有用物質のうち、クエン酸とノビレチンとヘスペリジンは特に注目に値します。

私は、レモンとシークヮーサーを自分で栽培しています。クエン酸といえば梅干しかレモンのイメージです。柑橘系の果実は自分で栽培すれば残留農薬などの心配もないですし、食べ方もいろいろ工夫できます。

でも、私が住んでいるところは沖縄のように冬に冷え込まない温暖な土地ではありません。なので、苗木が寒さに耐えられないこともあります。また、異常気象や台風などの自然災害で栽培がうまくいかないこともあります。年によってばらつきもあります。

天災などにより収穫できなかった時はクエン酸とノビレチンとヘスペリジン3つとも含むシークヮーサージュースを利用します。原液なので薄めて使います。なのでお得感もあります。これならクエン酸のみならずノビレチンとヘスペリジンという有用物質も一度に摂れます。元々入っているビタミンCが酸化防止剤の役割もします。

でも、市販のレモンは簡単に手に入るのになぜなぜわざわざ栽培するのでしょうか。やはり輸入品には防カビ剤が使用されているといわれているからです。ほかにもどんな薬品を使ってあるか、農家の人しかわからないですね。丸かじりはちょっとこわいです。自分で作ったものであれば、消毒も含めてすべてわかっているし、できるだけ使わない気持ちが働きます。だから自分で作りたいのです。市販品でも皮を食べなければいいじゃないかと言われそうですが、私は柑橘類は本当は絞ったものではなく、果実の皮を剝いて内果皮も中果皮も食べたいと思っているのです。なぜかというと、ビタミンCその他の有用な物質が豊富に入っているのは中果皮の部分ですし、内果皮ごと食べた方が私の場合はお通じがよくなると感じているからです。まあ、レモンはちょっと酸っぱいですが、かじって皮ごと食べられないことはありませんし、果実酒などに入れたり、調味料として使ったりできます。何より、そんなにたくさんなくてもいい点が挙げられます。だから家で作るのにちょうどいいわけです。

シークヮーサーの果実が手に入らなかった時の方法として私は皮ごと搾ったシークヮーサージュースを利用します。実際のところは、栽培は自然災害と隣り合わせだし、鉢植えは水遣りが生命線だし、害虫の駆除もしなければならないし、収穫も年によってばらつきがあります。そのようなことで一喜一憂するくらいなら市販品を購入した方が結果的にいろいろな意味で楽です。買った方が却って安くつきます。でも、レモンのように輸入品で防カビ剤がついているのはたとえ洗ったとしても皮ごと食べるのには抵抗が有るし、栽培には栽培特有の面白さがあるし、自分で作ったものを食べる時はどんな味であっても美味しく思えます。やはりお手製レモンが採れることが第一希望です。そのあたりは悩ましいところです。