こんにちは。kuma&nomiです。

今日は分子の両末端にカルボキシル基(-COOH)が付いているジカルボン酸についてです。代表的なものではアミノ酸でアスパラギン酸、グルタミン酸がありますが、これらはアミノ基(-NH2)が付いている酸ということでアミノ酸です。アスパラギン酸はアスパラガスに含まれているので、このような名前が付いています。

アスパラギン酸
アスパラギン酸

グルタミン酸
グルタミン酸

アミノ基が付いていないジカルボン酸は炭素数に応じて下記のような名称が付いています。ホウレンソウなどに含まれているシュウ酸は真ん中のメチレンCH2がない、最も単純なジカルボン酸です。尿管結石の主成分ははシュウ酸カルシウムCa2+(COO)2です。

HOOC-(CH2)m-COOH ジカルボン酸

m=0: HOOC-COOH シュウ酸 oxalic acid, エタン二酸 ethanedioic acid
m=1: HOOC-CH2-COOH マロン酸 malonic acid, プロパン二酸 propanedioic acid
m=2: HOOC-(CH2)2-COOH コハク酸 succinic acid, ブタン二酸 butanedioic acid
m=3: HOOC-(CH2)3-COOH グルタル酸 glutaric acid, ペンタン二酸 pentanedioic acid
m=4: HOOC-(CH2)4-COOH アジピン酸 adipic acid, ヘキサン二酸 hexanedioic acid
m=5: HOOC-(CH2)5-COOH ピメリン酸 pimelic acid, ヘプタン二酸 heptanedioic acid
m=6: HOOC-(CH2)6-COOH スベリン酸 suberic acid, オクタン二酸 octanedioic acid
m=7: HOOC-(CH2)7-COOH アゼライン酸 azelaic acid, ノナン二酸 nonanedioic acid
m=8: HOOC-(CH2)8-COOH セバシン酸 sebacic acid, デカン二酸 decanedioic acid

よく出てくるのは炭素数m=4あたりまでですが、それ以上のものはあまり馴染みがありません。わからない時は調べればいいと思います。例えばナイロン6,10(ナイロン610)の10はセバシン酸の炭素数を示していますが、化学を専門としている人以外はあまり関係ないですね。

ジカルボン酸の系統名(国際名, IUPAC名)

ジカルボン酸のIUPAC命名法について簡単に触れておきたいと思います。

たとえばコハク酸(琥珀酸, succinic acid)は、コハクに含まれていた有機酸です。琥珀(こはく)は天然樹脂の化石です。コハク酸はジカルボン酸の一種で、3番目に小さい分子です(最も小さいのはシュウ酸、2番目はマロン酸)。構造式はHOOC–(CH2)2–COOHです。succinic acidは慣用名(trivial name)ですが、IUPAC名(systematic name)は炭素数4なのでbutane(C4H10)をもとに考えます。カルボン酸が2個あるので、-dioic acidを最後に付けます。すると、butanedioic acidとなります。炭素数が4個で、そのうち2個が-COOHであるという付け方です。

コハク酸
コハク酸

アスパラギン酸
アスパラギン酸

これにアミノ基(-NH2)が1個付けばアスパラギン酸になります。IUPAC名は2-aminobutanedioic acidとなります。カルボキシル基の炭素が1番になります。アスパラギン酸の場合は、アミノ基が付いている位置の番号は2と3の2通りがありえますが、若い番号の2を付けます。

ちなみにもう1個炭素が増えるとグルタル酸になり、それにアミノ基が付けばグルタミン酸になります。グルタル酸にアミノ基が付いた酸⇒グルタミン酸という感じの慣用名です。

グルタル酸
グルタル酸

グルタミン酸
グルタミン酸

グルタミン酸のIUPAC名は2-aminopentanedioic acidとなります。カルボキシル基の炭素が1番になるので、グルタミン酸の場合はアミノ基が付いている炭素の位置番号は2と4の2通りが考えられますが、若い番号の2を採用することになっています。

アスパラギン酸もグルタミン酸も光学異性体としてL体とD体の両方が存在します。私たちの体に必要なのはL-アスパラギン酸、L-グルタミン酸です。RS表示ではL-アスパラギン酸はS-アスパラギン酸、L-グルタミン酸はS-グルタミン酸です。

上記の構造式では光学異性体としては意識してありませんので、くさび形の(長い二等辺三角形のような)結合は見られません。キラリティーの議論が必要ない場合はそれでもいいわけです。

慣用名の中にはIUPAC名として認められているものもあります。グルタミン酸は認められています。でも、そこまで暗記する必要はないと思います。1個1個確認して使用が許されているものはIUPAC名に組み込めばいいだけです。第一、慣用名を知らなくてもIUPAC命名法で名前を付けることはできますから。

それでは、また。