こんにちは。kuma&nomiです。

緑茶に含まれる茶カテキンはポリフェノールの一種なので、抗酸化作用があります。茶カテキンの主要成分4つ、すなわち、エピカテキン(epicatechin、EC)、エピガロカテキン (epigallocatechin、EGC)、、エピカテキンガレート (epicatechin gallate、没食子酸エピカテキン、ECG) とエピガロカテキンガレート(epigallocatechin gallate、没食子酸エピガロカテキン、EGCG)の中で、没食子酸エピガロカテキンEGCGは、マウスを使った発がん実験で、がんの発生を抑制する効果があったということで、ヒトのがん予防効果もあるのではないかと注目されています。

緑茶に含まれる没食子酸エピガロカテキンのがん予防効果

没食子酸エピガロカテキン

毎日お茶を飲む人は胃がんの発生率が低いという報告があります。没食子酸は難しい漢字ですが「もっしょくしさん」、または「ぼっしょくしさん」と読みます。化合物の種類としてはエステルR-COO-R’(R, R’はアルキル基やフェニル基など)に分類されることが化合物の名称からわかります。エステルとは酸とアルコールから脱水してできた化合物の総称です。例えばフルーツの香り成分の一つであったり、セメダインのにおいのする酢酸エチルethyl acetateは酢酸acetic acidとエタノールethanolから水分子H2Oがとれてできた化合物です。エステルなのでacetic acidの-ic acidを-ateにかえて、ethanolから誘導されるアルキル基のethyl基を先にして、ethyl acetateの順になります。日本語では酢酸エチルです。これと同じように考えれば、没食子酸gallic acid をgallateにして、アルコール成分に相当するエピガロカテキンepigallocatechinは例外的にそのまま用いれば、没食子酸エピガロカテキン epigallocatechin gallate (EGCG)となることがわかります。国際名(IUPAC名)ではなく慣用名になります。

茶カテキンの4つの化合物の含有量は EGCG>EGC>ECG>EC の順であり、カテコール誘導体よりピロガロール誘導体の方が含有量が多いことになります。

緑茶の中のビタミンC、ビタミンE、タンニンは、いわゆる酸化防止剤の役割も持っています。化学的には還元剤ともいいます。自身が酸化されるかわりに相手を還元する(酸化から守る)ということです。例えば、私達の体に害を及ぼす活性酸素を還元して水に変えてくれる役割もあります。ビタミンC、ビタミンE、タンニンは、肉の発色剤としてハムなどに添加されている亜硝酸ナトリウムNaNO2から胃液によって生成されるニトロソアミン (CH3)2N-NOの生成を抑制する効果があります。ニトロソアミンは発がん性が疑われています。とはいえ、飲むお茶の量(ひいてはお茶の中に含まれるテキンの絶対量)は知れていますので、リスクを低下させると考えるべきです。

緑茶は、飲まないより飲んだ方がいいのは明らかです。しかし、粉末で一度にカテキンを摂り過ぎると害があるといった報告も外国ではあるようです(何でも「過ぎたるは及ばざるが如し」、バランス良く摂ることが大事です)。この場合、飲むお茶としてのカテキンではなく、市販の粉末の形の話だと考えられます。何でも摂り過ぎると害があります。日本では健康被害は報告されていないようですので、常識の範囲でお茶として楽しむ程度であれば、カテキンの絶対量は大したことはないので大丈夫と考えられます。

植物は常に強い紫外線に曝されていています。紫外線はエネルギーが高く、いろいろな化学反応を引き起こします。酸化もその一つです。植物は酸化に対抗するために抗酸化物質を作り出して対抗しています。つまり、常に酸化との闘いです。このような抗酸化物質を豊富に含む植物を体に摂り入れることによって私達は活性酸素などから身を守ることが原理的に可能です。だから、生野菜や果物をきちんと摂ることがとても重要です。熱安定性のあるものであれば加熱しても大丈夫ということになりますが、酵素などのように一般に熱によって活性が失われるものも多いです。このような化学反応の観点からは、生で食べられるものは生のままで摂ることがベストだと思います。もちろん野菜や果物の繊維質もお通じやコレステロールの吸着除去などに効果があると言われていますね。

没食子酸エピガロカテキンEGCGのIUPAC名

没食子酸エピガロカテキンEGCGの構造式を見ると、安息香酸(benzoic acid)のエステルであることがわかります。エステルというのは酸成分とアルコール成分から脱水してできた化合物です。この場合はカルボン酸ですが、ほかに、硫酸、リン酸、硝酸なども同様です。カルボン酸エステルの命名法は、英語名ではアルコール成分のアルキル基の名称を最初に持ってきて、酸成分のoic acidを-oateにかえます。例えば、酢酸とエタノールのエステルはethanoic acidとethanolのエステルなので、ethyl ethanoateとなります。和名はエタン酸エチルとなります。慣用名ではacetic acidとethyl alcoholのエステルなので、ic acidを-ateにかえて、ethyl acetateとなります。和名は酢酸エチルです。

安息香酸(benzoic acid)
安息香酸

没食子酸エピガロカテキンEGCGをエステルとして見た場合、アルコール成分はベンゾピラン環に付いた水酸基です。この場合はフェノール性水酸基ですが、アルコール性水酸基でなくてもエステルはできるので、問題ありません。

2H-1-ベンゾピラン
1-ベンゾピラン

IUPAC名は(2R,3R)-5,7-dihydroxy-2-(3,4,5-trihydroxyphenyl)-3,4-dihydro-2H-1-benzopyran-3-yl 3,4,5- trihydroxybenzoateとなります。

これは、benzopyranyl benzoateというエステルが基本になっています。あとは置換基を全部くっつけて、最後にキラリティーの表示を先頭に付けて完成です。違う位置で同じ位置番号が出てきますが、プライム(‘)を付ける必要はありません。慣用名で付ける時にはプライム(‘)が使われることはあります。

それでは、また。