こんにちは。kuma&nomiです。

今、金柑のシーズンなので、金柑を買ってみました。生で食べてもいけますね。そのあと金柑の甘露煮にしました。金柑は皮を剝いて食べることが困難なので、そのまま丸ごとかじるか、甘露煮にして食べるかのどちらかです。ビタミンCを壊さないためには生で食べるのが一番です。でも、生でかじるとけっこう強烈です。ヘスペリジンが植物の防御に関与しているといわれる所以です。

シークヮーサーの場合、ノビレチンが皮にたくさん入っています。金柑をはじめ、ほかの柑橘類にはヘスペリジンという有機化合物が入っています。

道の駅で買った金柑(1袋200円+税)
道の駅で買った金柑

今日は、金柑やその他の柑橘類に含まれるヘスペリジンについて構造や命名法について考えてみます。

ヘスペリジン(hesperidin)
ヘスペリジン

分子構造からわかること

ヘスペリジンの基本骨格はノビレチンと同様、1-ベンゾピラン(クロメン, chromene)で、その2-位にフェニル基が付いて、さらに4-位がC=Oのケトンになったらフラボンです。

最小単位はクロメン(1-ベンゾピラン)で、さらにいくつか置換基が付いていて、フラボン単位まではノビレチンと共通の構造といえます。この化合物は水に溶けないと思います。分子全体に占める親水基の割合が大きくないからです。ヘスペリジンはビタミンPと呼ばれることもありますが、正確にはビタミン様物質とされ、ビタミンではありません。ちなみにビタミンCも発見順でCが付いているだけで、厳密にはビタミンとはいえません。

ノビレチンと大きく異なるのは、ヘスペリジンには糖が付いているということです。このような化合物は配糖体といいます。ヘスペリジンはフラバノン配糖体、あるいはフラボノイドです。フェノール性水酸基が2個あるので、広義ではポリフェノールです。だから、抗酸化物質として作用することができます。

ヘスペリジンのIUPAC名

IUPAC名は(2S)-5-hydroxy-2-(3-hydroxy-4-methoxyphenyl)-7-[(2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-trihydroxy-6-[[(2R,3R,4R,5R,6S)-3,4,5-trihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxymethyl]oxan-2-yl]oxy-2,3-dihydrochromen-4-one

二糖の部分はβ-ルチノース (6-O-α-L-ラムノシル-β-D-グルコース)です。

オキサン(Oxane)
オキサン

オキサン(Oxane)はIUPAC名ですが、慣用名はテトラヒドロピラン(Tetrahydropyran)です。

ここではオキサン(Oxane)に置換基が付いたものとして命名してあります。1-ベンゾピラン (クロメン, chromene) の5-位に水酸基、2-位に3-hydroxy-4-methoxyphenyl基、7-位に糖が2つ、そして、4-位がケトンになっていると考えます。あとは、この基本構造に詳細な情報を埋め込んでいけばよいわけです。

糖を置換基としている部分はすごく複雑です。ざっくり言うと、中央付近のβ-D-グルコースに置換基としてさらにα-L-ラムノースが付いているという形の命名です(赤い部分がα-L-ラムノース)。[(2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-trihydroxy-6-[[(2R,3R,4R,5R,6S)-3,4,5-trihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxymethyl]oxan-2-yl]oxy-の部分です。基本的な考え方としては、1-ベンゾピラン環(クロメン環)の7-位にもともと水酸基-OHがあったのですが、そこにエーテル結合で糖が繋がったと考えます。そして、その構造をたどっていった形の命名になっていることがわかると思います。たとえば最後のoxy-の部分です。二糖の部分が酸素原子を介してクロメン環につながっているという命名です。逆方向に見ると、そのoxyの先に付いている大きな原子団(置換基)が[(2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-trihydroxy-6-[[(2R,3R,4R,5R,6S)-3,4,5-trihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxymethyl]oxan-2-yl]です。2-ylの意味は、オキサン環の2-位がクロメン環に繋がっているという意味です。クロメン環は2-位と3-位の炭素の間にC=C二重結合があるのですが、そこが水素化された(H2が付加されて単結合になった)形をしているので、水素原子Hが2個付加されたクロメンということで2,3-dihydrochromenとなっています。最後に-4-oneが付いているのは、クロメン環の4-位にケトンのC=O二重結合が付いているからです。

ほかの置換基は、(2S)-5-hydroxy-2-(3-hydroxy-4-methoxyphenyl)-を付ければいいです。hydroxyとphenylとoxanylの頭文字はアルファベト順でh>m>oなので、(2S)-5-hydroxy-2-(3-hydroxy-4-methoxyphenyl)-7-[(2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-trihydroxy-6-[[(2R,3R,4R,5R,6S)-3,4,5-trihydroxy-6-methyloxan-2-yl]oxymethyl]oxan-2-yl]の順番に並べます。最初の(2S)-の部分は、キラルな炭素原子Cがあることを意味しています。つまり、1-ベンゾピラン環(クロメン環)の2-位に付いている3-hydroxy-4-methoxyphenyl基が、パソコンの画面の上下のどちらに向いているかを示さなければなりません。この場合は下に向いているので、Sとなります。逆だったらRになります。この決め方は下記の記事を参照ください。

この(2S)-は2-(3-hydroxy-4-methoxyphenyl)-の部分にかかっているのですが、最初にもってくるようになっています。なので、結果的に5-hydroxy-が(2S)-2-(3-hydroxy-4-methoxyphenyl)-に割り込んだ形になっています。

化合物のキラリティーが論旨に関係ない時は(R)とか(S)とかは省略した表記もあります。(R)とか(S)まで入れた命名はほぼ完璧ですが、そこまで表記しない場合もあります。

こうして見てみると、天然物の化学構造は複雑なものが多いので、IUPAC名を付けるのはかなり面倒で難しいことが多いです。これらを間違わずに付けるのは有機化学の専門家でも難しいと思います。試験に出るなら一生懸命勉強する必要がありますが、通常はじっくり本を見ながら考えることになります。類似の構造を有する化合物があればその名称を参考にして、マイナーチェンジしていくのがよいと思います。

ヘスペリジンのIUPAC名の場合は、上記ではオキサンを中心に命名しましたが、論旨によっては糖に置換基が付いているとみなして命名するのもありだと思います。でもごちゃごちゃしてわからなくなる場合は、自分が付けられそうな形を探すのがよいと思います。基本的には最も長い主鎖を探して、それに置換基を付けて命名するようになっています。

それでは、また。

美容と健康に良い柑橘類

私は、クエン酸とノビレチンとヘスペリジンを含んだシークヮーサーを自分で栽培しています。クエン酸に関してはレモンも栽培を始めました。

自分で栽培すれば残留農薬などの心配もないですし、食べ方もいろいろ工夫できるからです。例えば、私はみかんの内果皮(じょうのう)ごと食べます。そうすると翌日のお通じがいいからです。アルベド(中果皮)もきれいに取り除くようなことは一切せずにそのまま食べます。

でも、沖縄のように冬に冷え込まない温暖な土地ではないので、苗木が寒さに耐えられないこともあります。台風などの自然災害で栽培がうまくいかないこともあります。年によってばらつきもあります。そんな時には、クエン酸とノビレチンとヘスペリジン3つとも含むシークヮーサージュースを利用する方法があります。これならクエン酸とノビレチンとヘスペリジンという有用物質が一度に摂れます。でも、私は本当は絞ったものではなく、果実をそのまま皮を剝いて内果皮も中果皮も食べたいです。それができない時の方法として私はシークヮーサージュース一択です。実際のところは、栽培は自然災害と隣り合わせだし、害虫の駆除もしなければならないし、収穫も年によってばらつきがあります。そのようなことで一喜一憂するくらいならいっそのこと市販品を購入した方が結果的には物理的にも精神的にも一番楽です。手間がかからず結果的にはコストも栽培ほどはかからないからです。でも、栽培には栽培特有の面白さがあるので、お手製シークヮーサーが収穫できることを最も望んでいます。