このサイト「ケミストが作ったお役立ちサイト」は、有機化合物の知識を有する著者が、化学者の観点からサプリメントその他の身の回りの有機化合物などについて独自の視点で綴っています。一言で言うならばケミストが作ったお役立ちサイトです。サプリメントの有機化合物の分子構造を化学的な見地から眺めるとどうなるか、一般の人に向けて発信することも化学者のできることの一つであるのではないかと考えました。巷にあふれている情報とは少しだけ違った視点で捉えることで、考え方が変わると思います。これらのことを通じてこのサイトを訪れてくれた方々に何らかのお役に立てれば幸いです。

このサイトの目的は正しい考え方をもってもらうこと:天然物を妄信するのは間違いです!

黒板JK

私は化学を専門としています。常々、私は葉酸に興味を持っています。その理由は、まず名前が「葉っぱの酸」だからということと、妊活などに関するサプリメントとしてネット上の広告でよく見かけるようになったからです。化学者の立場で私も調べてみようと思ったのがきっかけです。どういう構造で、どういう化学的機能があるのかな?とちょっと調べてみたところ、L-グルタミン酸と繋がっていることがわかり、興味を持ちました。私の経験上、L-グルタミン酸を使って作った化合物はとても面白い性質・機能を示すものが多いからです。

私は有機化学が専門で、有機化合物に興味を持っているので、普段からサプリメントなどの広告もクリックしたりします。そのとき、化学を専門とする者として看過できないものもあります。そのようなサイトにいちいち指摘はしませんが、書いてあることを鵜呑みにせざるを得ない人がいるのも確かです。化学が専門ではない以上、ある意味しかたないことですが・・・。

化学者として疑問に感じたこと

頭を抱える女子

一般に化学という科目は難しいというイメージがあり、化学が好きという人は少ないでしょう。理系の大学生でもそうなんですから、ましてや、世の中には文系の人の方が多いわけで、化学的な考え方を習っていない人たちはサプリの広告を見て、あまりよくわからないままうまく言いくるめられて買っているのではないだろうか?と考えました。いろいろな広告の文章を読んでみて、「これはちょっとおかしいくないか?」と思うことはよっぽど詳しい人でない限りないでしょう。そうであれば、そのあたりを化学をよく知らない人にも説明して自分で判断してもらうように導くサイトがあってもいいのではないかと考えました(最終的には自己責任で判断してもらえばよいだけです)。そう思ったのは、当然、私自身が疑問に感じたからにほかなりません。私は化学の中でも特に有機化合物を専門分野/得意分野としており、それらのみならず基礎化学の教鞭もとってきました。いろいろな有機化学物質に関して常識的なところではだいたい理解できます。

例えば、同じ400μg(0.4ミリグラム)でも、ポリグルタミン酸型葉酸とモノグルタミン酸型葉酸で含まれている分子の数はだいぶ異なります。しかしそんなこととかは全く言及してありませんでした。一般のサイト来訪者はそのあたりの知識はまずないのです。そのようなところはブラックボックスのままで、イメージだけで事を進めても自己責任といえばそれまでです。しかし、正確な知識をもって正しい判断ができるに越したことはないのは当然です。さらに驚いたのは、天然物は無条件にOKで化学合成品は石油から作られているからダメとか、石油が入ってるとかいう荒唐無稽なことを書いてあるのを見かけることです。石油が入っているわけがないし、そもそも石油ってそんなに悪いイメージですか。もともと海や湖で繁殖したプランクトンや藻類から作られているのに。そういう人は薬を飲まないのでしょうか。東洋医学だけに頼って病気を治すのでしょうか。これに限らず、いろいろなことに関して本質を捉えていない間違った考えがけっこうあります。誰かが書いたネット上の間違った情報をパクって使っているからでしょうか。そしてどんどん広がっていくのでしょうか。本当にそうなのかということは他にもたくさんあります。統計的にみてほんの少数派をあたかもそれがすべてであるかのように恐怖心を煽って差別化を図っているサイトもあります。利点もあれば欠点もあります。利点を活かして欠点を補うのが人間の叡智だと思うのです。何でもいいことだけ100%なんてありえませんよね。そのちょっとした欠点を大袈裟に煽り立てることで自分の売りたい商品のセールスに持ち込み、売り上げようということです。しかもランキング1位は広告主に頼まれたから1位にしているだけとか。要するに報酬額が高いものが1位になっているだけという現実。化学合成したものが一律に悪というなら、現実的には飲む薬はほとんどなくなるでしょう。そのような諸々のことを皆さん自身にいま一度正しく判断してもらい、だまされないようにしてもらうための基礎的な情報を与えることも化学を専門とする者の役目の一つと思うのです。実際には合成物より天然物の方が毒性の強いものが多いという現実もあります。

このサイトは化学の知識がない来訪者の方々にもある程度自分で正しく判断してもらうために手助けをする目的で作りました。ネット上の情報を何でも鵜呑みするのではなく、ある程度疑ってかかることも必要です。ひいては皆さん自身で判断して「自分の身は自分で守る」という姿勢は大事だと思います。また、有機化合物の命名法の勉強に少し役立つサイトになっています。化学系や薬学系の学生にも役立つようになっています。難しいところは読み飛ばして、斜め読みの感じでも結構かと思います。真贋を見分ける目はある程度は持っていたいものです。